商品コード: ISBN4-7603-0168-2 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第1巻 蝦夷 (1)

販売価格:
50,000円    (税込:54,000円)
Flora, Fauna and Crops of the Japan Islands in the Latter Term of Yedo Era--Second Series
安田健 編 B5版・上製・布装・貼箱入
○享保時代以降、さまざまな地方で、その地方の特産物、動物、植物、鉱物などを記した産物誌が作成され、本格的な博物図鑑の完成のための礎となった。本シリーズでは、幕末期までに作成された産物誌を網羅し、日本列島の動物相、植物相を明らかにする。

第I巻 蝦夷(1)
〈1995/平成7年12月刊行〉

◎源広長『松前志』
◎前田健助『蝦夷志料』


第I巻の序にかえて

 本巻には、蝦夷の本草に関する二書『蝦夷志料』と『松前志』を収めた。『蝦夷志料』は一八五○年代までに編纂された蝦夷に関する諸文書の記事を集大成したものであり、『松前志』はその中に引用されたものの一つである。代表の意味で収録した。蝦夷の情報は本土各地に比べて少ないと思われがちであるが、意外に多いことに驚かされる。自然の豊かであった当時の日本列島の中でも、とくに自然そのものともいえる蝦夷の状況の記録である。
 なお、アイヌ語による動物、植物、金石の呼称の索引を付した。

前田夏蔭(健助)編、『蝦夷志料』
国立公文書館蔵、内閣文庫 178 - 119 
 一八五三年(嘉永六)七月、 ロシヤ国使節プーチャチンが来日して以来、幕府はロシヤ国との蝦夷を巡る外交交渉上、蝦夷に関するあらゆる分野の資料を整備編集する必要に迫られ、一八五五年(安政二)三月幕臣前田夏蔭(健助)にその編集を命じた。なお、手伝いとして、染屋祐次郎ほか八名が参画した。十一年後の一八六五年(慶応元)四月『蝦夷志料』として纒め幕府へ上進した。その間、夏蔭は一八六四年に没、最後の一年は末子の夏繁が引き継いで完成した。なお、目次には後補された付図が付記されているが現存しない。
 編序は、蝦夷全域を松前部、箱館部、江刺部、本蝦夷部、北蝦夷部、来莫後(クナシリ)部、江登路府(エトロフ)部、宇流津布(ウルツフ)部、加牟左津介(カムサツカ)部の九地区に分け、蝦夷に関する既存の諸資料の記述を各地区毎にまとめるというものである。その拾録した分野はきわめて広く、松前部の例を挙げると、総説、政理、吏職、山海、川沢、林野、田圃、村落、湊泊、嶋嶼、津済、彊界、天度、気候、人物、神社、仏宇、松前城、居宅、風俗、衣服、飲食、調度、舟車、産業、交易、土産(草、木、菓実、木耳、鳥、獣、魚、介他、金、石、雑産、穀、菜蔬海藻、蟲豸)、技芸、医卜、疾病、飢饉、変災、警衛、漂蓍、異舶の三十五項目にわたる。本書ではその内の土産の十四小項目を採録した。
 なお、『蝦夷志料』の内土産部に引用された資料は下記の六十六文書である。
『松前志』『蝦夷紀事』『蝦夷草木志料』『東夷物産誌』『蝦夷物産誌』『東遊記附録』『蝦夷志拾遺』『蝦夷風土記』『蝦夷草紙』『松前蝦夷記』『蝦夷記』『東夷周覧稿』『東海参譚』『蝦夷風俗言上書』『蝦夷実記』『北征日記』『蝦夷巡覧筆記』『津軽一統志』『蝦夷地風俗書』『北海随筆』『蝦夷国風俗人情沙汰』『蝦夷一揆興廃記』『北夷談』『北地危言』『蝦夷談話記』『蝦夷談筆記』『遭厄日本紀事』『蝦夷松前』『蝦夷物産』『蝦夷島奇観』『未曾有記』『松蝦地名通解』『蝦夷地見聞録』『終北録』『東在弐拾六箇村様子大概書』『休明光記附録』『文月村御試田作』『蝦夷秘鑑』『高橋三平筆記』『安政元年巡見記』『攀野採製漫録』『函館近郷植附物調帳』『奥乃美千種』『松前旧事記』『膃肭臍猟総説』『蝦夷略説』『蝦夷嶋記』『東蝦夷地名考』『白糠場所開発作毛収納書』『武川場所開発作毛収納書』『沿海異聞』『松前蝦夷一円行程記』『蝦夷地六箇所植付物書上』『蝦夷地田畑作物大概位附書上帳』『蝦夷対問』『東蝦夷地悪消場所様子大概書』『渡島筆記』『唐太山丹尾魯胡雑記』『野作雑記訳説』『北夷考証』『北蝦夷新図説』『蝦夷松前烏』『北夷史徴』『甲寅唐太日記』『瓦刺弗吐島雑記』『享和辛酉唐太事状』。

松前(源)廣長著、『松前志』
国立公文書館蔵、内閣文庫 178 - 105 
 前掲『蝦夷志料』に引用の文書の内、代表的と思われる『松前志』の関係部分を収録した。
 1781年(天明元)五月の序がある。
 本書の編序は、
巻一、松前福山正系譜略記、蝦夷叛服例、蝦夷風俗。 巻二、三、地理。
巻四、禽獣。 巻五、魚介。 巻六、穀、菜、蕈、藻。 巻七、樹木。 巻八、薬品。 巻九、草花、雑卉。 巻十、貨財、石土。
であるが、巻四、禽獣。以下巻十、貨財、石土までを採録した。
 ただし、「巻九、草花、雑卉」は現存諸本には欠落している。この部分は、『蝦夷志料』の編集の時点、1855年当時すでに欠落していたとある。ただ、目次から種類の名だけは知ることができる。すなはち、以下の九十六種である。
牡丹       芍薬     菊
地膚       鶏冠花    鵞腸菜
小薊       丁字草    シコツ菊
どう蒿并紺菊   芫花     慈姑
大菊       燕子花    櫻草
胡蝶花      石葦     貫衆
笹龍膽      沈菖蒲    桔梗
草棣棠花     萬年青    萬年松
朱蕚       白きゆう   鳳仙花
千日紅      福寿草    水仙花
虎耳草      華鬘     女郎花
淡霞菜      陸萩     茅
蒲        水引草    岩蓮花
木賊       酸漿     臭ちよう
美人草      虎尾     蔦
萍蓬草      野生草    どくだみ
マツカサ     萱草     麻
紅花       藍      烟草
蓮        箱根卉    秋海棠
瞿麦       翁草     牽牛花
雁来紅      鉄線花    七段花
天竺花      剪秋羅    鳶尾
花菖蒲      金盞花    鷺苔
蓬        玉簪花    宝幢花
麦門冬      愛興草    布袋草
クマザサ、空穂草 仙源草    猫足草
海芋       紫苑     鼓子花
ムラサキ     シヤク并ニウ 夏水仙
エゾユリ     イワタケ   タツノヒケ
エゾワラ     ミチシバ   クゴ
ヤチスゲ     カハラヨシ  ノマコモ
才井       モソモソ   柳草

 以上の貴重な二文書の復刻、刊行をご承諾くださった国立公文書館に厚くお礼申し上げる。

一九九五年大雪
編者識 
  • 数量:

AMAZONでもお買い求めいただけます

この商品に対するお客様の声

この商品に対するご感想をぜひお寄せください。