商品コード: ISBN4-7603-0183-6 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第16巻 [阿波・讃岐・土佐・津島]

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50,000円    (税込:55,000円)
第16巻 阿波・讃岐・土佐・津島
〈2004/平成16年2月刊行〉

◎増田休意『讃州府志』
◎中山伯鷹『全讃志』
◎梶原景紹『讃岐国名勝図会』
◎秋山惟恭等『西讃府志』
◎武藤致和『南路志(土佐)』
◎福島成行『土佐産物誌』
◎吉村春峰篇『土佐往来(土佐国群書類従、巻133)』
◎吉村春峰篇『土佐国産往来(土佐国群書類従、巻133)』
◎吉村春峰篇『幡多郡三島物産説(土佐国群書類従、巻133)』
◎岡本信古『土陽名産志』、『津島紀事』


第十六巻の内容・序に代えて

 阿波、讃岐、土佐および津島の産物関係文書を納める。文書の成立時期は江戸後期が主であるが、一部明治初期のものを含む。また、江戸中期のものの写しと思われるものもある。

一、『阿波志』        独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・八
 藤原憲(佐野山陰)著、一八一五年一月序。
 一七九二年徳島領主蜂須賀治昭から本書の編纂を命ぜられ、一八一五年完成。
 阿波国下城府ほか十一郡毎の地誌、全十二巻。郡毎の「土産」の部に主な産物をあげ、各々に説明を付す。全文漢文。

一、『讃州府志』(『翁嫗夜話』) 独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・一九
 増田休意編、一七四二年
讃岐国の地誌。全一五巻。郡別の「土産」の項に主な動植物とその産地を列記する。
 
一、『全讃志』        独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・三二
 中山伯鷹(城山)著、一八二八年 
讃岐国の地誌。全七巻。産物志の項に、主な動植物類二六種とその産地を記す。

一、『西讃府志』       独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・一七
 秋山惟恭(厳山)等編、
一八三九年、丸亀領主京極高朗の命で同領内の地誌 『西讃府志』の編集が開始され、五二年六一巻が完成した。その第四九巻に詳細な「物産」の記事を載せる。
 穀類二六、菜蔬類三九、菌類一一、瓜類一○、菓類二六、草類一六九、海苔類一○、木類八五、竹類九、虫類五八、魚貝類六五、家畜類六、鳥類四九、獣類一八、石類一五。
更に「造工」として、武器類、竹器類、瓦器類、調度類、舟車類、飲食類を加える。このうち、穀類から石類までの内容は、その約百年前に全国諸藩でなされた享保・元文の「産物帳」の編序とほぼ同様である。丸亀領の「産物帳」は現在残っていないが、『西讃府志』はそれを再録した可能性が高いと思われる。そうであれば、産物帳の内容を今日に伝える四国唯一の史料であり、原題は『讃岐国内丸亀領産物』であったはずである。

一、『讃岐國名勝圖會』    独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・三一
 梶原景紹(藍水)撰、松岡信正(御調)画、前編七冊、後編八冊、続編五冊、一八五四年完結。
 讃岐国(現香川県)内各郡の名所を紹介し、併せて主な産物数点ずつをあげる。

一、『土陽名産志』    国立国会図書館、白井文庫 特一・二一五○
岡本信古(真古)著、信古(一七八○~一八五六)は安芸郡安芸浦の人、郷土史をよくした。一八○四年から土佐藩に仕える。本文書は村毎の特産物を列記する。

 以下の五文書は吉村春峯編『土佐國群書類従』所収の文書である。
         独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 二一八・一三
吉村春峯(一八三六~一八八一)は土佐国長岡郡十市村の庄屋から、維新後高知県庁、政府左院に仕え、退官後土佐国関係の古文書二百三○巻を集大成して本類従を編集した。

一、『土佐州郡志』        『土佐國群書類従』八七巻上下の内。
土佐郡、長岡郡、安芸郡下の各村の地誌。その内に各村のおもな産物を記す。

一、『土佐國物産欖要』            『土佐國群書類従拾遺』六四巻下の内。
幕末・明治初年に土佐各港から積み出された産物、およびそれに課した税の記録を紹介。

一、『土佐國産往来』             『土佐國群書類従』一六三巻の内。
土佐国の名産百数十種とその産地を列記する。

一、『土佐國産物大概』            『土佐國群書類従』一六三巻の内。
おそらく明治初年と思われるが、土佐国内の産物を調査するため配布された指示書である。列記した鉱物七三、植物七一、動物三四、製造物二○、計一九八種、その他珍しいものについては、実物標本を作成して差し出すように、また産地・用法を書き添えるよう指示された。その調査結果は不明であるが、ここに挙げられた一九八種の産物は当時土佐国で普通に見られたものであることが伺われる。

一、『幡多郡三島物産説』           『土佐國群書類従』一六三巻の内。
幡多郡の三島すなはち、柏島、びろう島、沖の島の特産物、榕樹ほか七種を紹介。書中「明治壬申」の文字があるので、本書の成立は一八七二年頃と推定される。

一、『南路志』    独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七六・四二~四三
武藤致和(一七四一~一八一三)編、土佐国村々の地誌(一八一三序)、全一二○巻の大著。巻三四、三五に土佐国全域の産物を納める。
致和は土佐の豪商。知人等の協力を得て、私費を投じ永年をかけて完成したという。

一、『津島紀事』 独立行政法人国立公文書館、内閣文庫 一七五・一六三
 津島藩士平山?(一七六二~一八一六)編、一八○六年来島した幕吏土屋帯刀に命ぜられ津島の村々を調査して編集し、幕府に提出したのが本文書である。全十一巻、その第十一巻に土産を載せる。米穀類二三、菜蔬類六六、菌類二○、海草類三一、果木類三六、草木類三八五、竹類八、河魚類一六、海魚類九八、虫介類一五七、蛇類五、禽鳥類六八、畜獣類一一、金石類九。享保・元文の『対州産物記録』を基に一部削除加筆されている。(『享保・元文諸国産物帳集成』十一巻と対比されたい)

 以上、貴重な古文書の撮影と復刻をご承諾くださった独立行政法人国立公文書館と国立国会図書館のご厚意に対しまして、厚くお礼申し上げます。

二○○四年二月
          編者識
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