商品コード: ISBN4-7603-0173-9 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第6巻 [加賀・能登・越中・越前・若狭・信濃]

販売価格:
50,000円    (税込:54,000円)
第6巻 越中・能登・加賀・越前・若狭・信濃
〈1999/平成11年6月刊行〉

◎『三国名物志(上植物、下動物)』
◎浅野士徳『越州物産志』
◎『越中魚津浦産魚品』
◎『越中産物名彙』
◎畔田伴存『白山草木志』
◎『鳳珠旧跡物産帳』
◎『羽咋鹿島両郡産物書上帳』
◎『加州草木写生図』
◎小塚秀得『加賀江沼志稿、5冊=土産、9冊=稲田、畑作』
◎稲庭正義『若狭志(若狭国志)』
◎大窪昌章『信州木曾草木産所記』
◎『信州木曾山産草類、以呂波寄』
◎『木曾産物図譜(図のみ)』
◎筑摩県『信濃飛騨物産目録』

第VI巻の内容‥‥序に代えて

本巻には加賀・越中・能登・越前・若狭・信濃および飛騨の一部の博物志に関する次の資料を収めた。

一、『三国名物志』一・二巻  
金沢市立玉川図書館蔵、 一六・七○|二二
加賀・越中・能登三国の動植物名を収録する。巻一に植物一二七○種、巻二に動物一九五○種を各々いろは順に並べ、産地、野生栽培の別等を記す。本書には著者名、年記を欠くが、国立国会図書館白井文庫蔵の目録には目録編集者小林花子氏の「補註」として[阪元慎著]とある。阪元慎には別に『名物捷径』という著があり、これは国書総目録によると一八一三(文化一○)の著とあるから、本書の成立もその前後であろうと推察される。

二、小塚秀得著『加賀江沼志稿』  一八四四年(弘化元)
石川県立図書館蔵、 K二二七・一○・一七
加賀国大聖寺領江沼地方の地誌。その内の「拾遺五、六」の「農作物」と「巻廿二|廿三」の「土産」を採録した。植物(農作物をふくめ)八八○種、動物八○○種、金石三○種を記載する。農作物には各品種が多数揚げられている。また植物では形状、産地、その環境条件などの記載が注目される。
小塚秀得は大聖寺領前田家家臣で、植物方奉行、松奉行、用水奉行、産物方引請等を歴任した(国書人名辞典、二)。

三、『羽鹿両郡産物帳』  一七七八年(安永七)
金沢市立玉川図書館蔵、特一六・七○|一五
内題に『羽喰鹿嶋両御郡諸産物之様子書上申帳』とある。能登国の現羽咋・鹿島両郡内に当時産出する農作物・畜産物・海産物・石材などの産出量、出荷状況などの調査報告書である。両郡内の十村役(大庄屋)の報告を取り纒めたものであるという。「岡部蔵本」とあるから、現志雄町の岡部家の蔵書であったことが知られる。

四、『鳳珠旧跡物産帳』  一七六四年(宝暦一四)、一七七一年(明和八)
金沢市立玉川図書館蔵、特一六・七○|一四
内題に『鳳至珠洲旧跡物産書上帳六種』とある。
六種の内、次の四種を収録した。
 *『鳳至郡草木類書上申帳』(一七六四年)
 *『珠洲郡草木類書上申帳』(一七六四年) 
 *『珠洲鳳至両郡産物之内他国え指遣商売仕候品々書上申帳』(一七七一年)
 *『珠洲鳳至両郡産物之内御領国にて商売仕候品々書上申帳』(一七七一年)

五、『加州草木写生図』、四冊
西尾市岩瀬文庫蔵、四六・二八
作者名、成立年とも不明。植物三二二種と鳥(らいちょう)一種の彩色図で、精密な筆至である。漢名、和名、別称などを付記する。文中「先生(恕庵)之意に随ひ今悉く根形を記す」とあるから、作者の師の名は「恕庵」というのであろうが、本草学者にその名は見当たらない。

六、畔田伴存著『白山草木志』 上下、 一八二二年(文政五)
国立国会図書館蔵、特七・四五九
紀州の本草学者畔田伴存は一八二二年六月下旬、加賀国白山に登り、植物などを調査した。その記録である。草類五九種、苔類三種、木類二八種、虫類三種、魚類、鳥類、獣類、石類各一種、土類二種、水三種合計一○二種について、各々産地・形状などを詳述した。

七、『越中産物名彙』
国立国会図書館蔵、 わ・六○二|一
著者、成立年とも不明。海魚二○三種、河魚三○種、干肴六六種、八百屋物四三八種計七○七種の名を列記する。別名のほか山菜などは食用に拱する部分などを付記する。市場に流通する食材のリストであるが、その豊富さに驚かされる。

八、浅野士徳著、妻木直校閲『越州物産志』(薬部)
国立国会図書館・白井文庫、 特一・八六九
年記を欠くが、両人の生没年が浅野士徳(一七六四|一八三○)、妻木直(一七六八|一八四二)であるから、一八○○年前後の成立であろうと考えられる。薬種となる草木八九種について、漢名、和名と形状、生態を漢文で記した。『越州物産志』とあるが、両者が越前福井領主松平家の侍医であったから、「越州」は「越前国」を意味すると考えられる。

九、梅田九栄筆『越中国魚津浦魚生写手鑑』、一七八三|八四年(天明三|四)
金沢市、梅田和秀氏蔵
梅田家は代々絵師の家格であるが、二代からは金沢領主前田家御用絵師を務めた。とくに六代喜平次・九栄、八代九栄には優れた画業が多い。この絵図は六代喜平次・九栄の作で、一七八三年十月から翌八四年二月にかけて越中国魚津に赴き、そこで獲れた魚類、海老、蟹類の他海星、烏賊など一○三種を三○枚の彩色図に描き上げたものである。この絵図は後に三卿への進物とされたとのことである。
なお、魚津の魚類など海産物については、一七三六年(元文元)の魚津町の『産物帳』に種類名一五○種程が挙げられているので参照されたい。(享保元文諸国産物帳集成、第十七巻)

十、稲庭正義著『若狭志』、一七四九年(寛延二)
国立公文書館、内閣文庫、一七五|三八
稲庭正義(稲葉迂斎とも)は江戸在住の漢学者であるが、一七四五年若狭国小浜領主酒井忠用に請われて若狭国の地誌を編集した。その内「土産」の部分を収録した。各々漢文で解説が付けられている。

十一、大窪昌章著『信州木曽草木産所記』、一八二五年(文政八)
十二、大窪昌章著『信州木曽山産草類、伊呂波寄』、一八二五年(文政八)
右二冊合冊、国立国会図書館、伊藤文庫 特七・三九三
信州木曽は当時名古屋徳川領であって、両文書は同藩に本草学者として仕えた昌章が、藩命により木曽の草木を調査した報告である。『産所記』には地区別に草木名を記載し、各々具体的産地などを付記する。『伊呂波寄』は全草木名を、いろは順に並べ、各々に別名、形状、その他を付記した。昌章は通称舒三郎といい、尾張本草学の会「嘗百社」のメンバーで、水谷豊文の弟子。本草関係の著書が多い。なお、両文書は一八七四年の写本で、丹波修治の旧蔵書である。

十三、筑摩県『信濃飛騨物産目録』、一八七二年(明治五)
国立国会図書館・白井文庫、 特一・一九九九
筑摩県は一八七一年から一八七六年の間、信濃国と飛騨国にまたがる地域に設けられた県である。この文書は同県から明治新政府へ提出された報告で、鉱石化石土砂一○一種、反物生糸繭真綿二九種、紙二一種、食糧五五種、薬種五五種、絵具染草八種、細工物六九種、陶器六種、雑一六種、鳥獣皮一一種、川魚八種、材木三一種についてそれぞれ産地が記載されている。翌一八七三年に開催されるオーストリア博覧会に出品するものを選定するために、文部省博物局が全国の府県に要請した調査の一つと考えられる。

以上、貴重な文書の撮影、復刻を快くご承諾くださった、国立国会図書館、国立公文書館、石川県立図書館、金沢市立玉川図書館、西尾市岩瀬文庫、梅田和秀氏、の各位に厚くお礼申し上げます。
編者識
一九九九年みどりの日
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