商品コード: ISBN4-7603-0171-2 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第4巻 上野・下野・武蔵・上総・下総・相模

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50,000円    (税込:54,000円)
第4巻 上野・下野・武蔵・上総・下総・相模
〈1999/平成11年1月刊行〉

◎M'VEAN, C.A.『Notes on the Ornithology of Edo』
◎岩崎常正『武江産物志』
◎『徳川実紀(狩の獲物)』
◎『続徳川実紀(狩の獲物)』
◎『房総草木志稿、上下』
◎『小笠原島風土略記(草木禽獣虫魚の概略)』
◎大原正矩『八丈誌、上坤=産物、下=図』
◎佐藤行信等『七島巡見志』

序にかえて
  本巻の内容

前巻に引き続き、主として江戸後期における東北地方、関東地方の動植物資料を載録した。ただし、時期の点では、江戸時代全期にわたるもの、明治初年におよぶものが一、二点ある。

一、岩崎常正著『武江産物志』(一八二四年刊)
国立国会図書館、白井文庫、特一|二九五六
江戸近郊の動植物、栽培作物、果樹、観賞名木などとその産地名を記す。鳥では、つる(本所、千住、品川)、こうのとり(葛西)、とき(千住)、かわせみ(王子、道潅山)など、獣類では、かわうそ(本所、けんもり、綾瀬)、りす(上野)などが見える。「東西凡十里四方」の地図を附すが、割愛した。

二、『房総草木志稿』上下   国立国会図書館、伊藤文庫、特七|二一五
作者不明。田安家旧蔵。房総地方の草木四四種(内木本八種)を図示(彩色)して解説を付す。

三、佐藤玄六郎、吉川茂右衛門編『七島巡見志』(一七八二)
国立公文書館、内閣文庫、一七三|一二一
天明二年(一七八二)、伊豆国府の代官所の巡見使にたいし、七島の各村から村内の事情を書き上げた文書の寫しであるが、全一六巻の内下記の巻に島毎の動物植物名を記載したものがあるので、載録した。
 第一巻、 大島
 第二巻、 新島
 第三巻、 神津島
 第十一巻、第十二巻、第十三巻、 八丈島
特に、八丈島のものは、草類の絵図一一四点、木類の絵図六七点、薬草木類六九点を掲げる。

四、大原正矩著『八丈誌』上巻乾、上巻坤、中巻、下巻
国立公文書館、内閣文庫、一七三|一七三
上巻坤以下に植物、動物を記載する。中巻には主に食用の植物、下巻には動物、ともに図と解説を記す。

五、小花作之助著『小笠原島風土略記』(一八六二)
国立公文書館、内閣文庫、一七三|一八五
文久元年(一八六一)十二月から翌年三月にかけて、幕府は軍艦咸臨丸により外国奉行水野忠徳を首班とする調査団を小笠原島へ派遣した。そのときの報告のなかの「草木禽獣虫魚の概略」の項を収録した。

六、松森胤保著『両羽博物図譜』
酒田市立図書館、光丘文庫
幕末維新の動乱の中、松山藩家老、松山藩執政、松領藩大参事、酒田戸長等々とその身分が目まぐるしく変転する中で、庄内地方を中心に山形、秋田両県さらに他府県にもひろげて、動植物を観察、写生、執筆した博物の大著である。全五十九冊、内植物二十八冊、動物三十一冊で、植物では種類名約二三○○点、動物では種類名約一三○○点を掲載する。その大半に正確な彩色図が描かれているのは、まさに超人的な業である。残念ながら、本書では、名称だけの採録に限り、図譜は割愛した。また、動植物の分類体系や、進化についても独特な興味ある説を述べているが、これらも省いた。
なお、『両羽博物図譜』については、上野益三博士著『日本博物学史』(一九七三)に紹介があり、詳細は磯野直秀博士の「『両羽博物図譜』の研究」(一九八九)「慶応義塾大学日吉紀要、自然科学」No.6、などを参照されたい。

七、『徳川実紀』『続徳川実紀』に見る江戸周辺の狩猟記録
徳川歴代将軍及びその近親者が、江戸周辺で狩猟した記録が、『徳川実紀』および『続徳川実紀』の中に散見される。最初の例は家康の慶長一六年十月六日(一六一一、一一、一○)で最後は家斉の文化六年九月二一日(一八○九、一○、二九)、約二百年間にわたる記録である。その中から、獲物の種類名の記録のある例を採録した。狩猟者、年月日、()内は西暦、狩猟方法、地点、獲物名を採録した。
なお、すでに、金山正好氏の「徳川将軍の狩猟記録ー『徳川実紀』から」(一九八五)(山階鳥類研究所「応用鳥学集報」五)があるが、それを若干訂正補完し、かつ『続徳川実紀』(家斉)の分を加えたことを申し添える。

八、C.A.MヤVEAN, メNotes on the Ornithology of Yedoモ. Proceedings of the Royal Physical Society of Edinburgh, vol. IV, no.2, 1877.
著者マック・ヴィーンはイギリス人測量技師で、一八七一年から七六年まで日本政府の仕事をしていた。本職は鳥学者ではないが、かなりの見識の持ち主であったらしく、東京滞在中鳥について豊富な観察ノートをものしている。維新後間もないころの東京は、街中に鳥達の溢れていた江戸時代の面影をなお色濃く残していたことがよく窺われる。その様子を、マック・ヴィーンは感嘆を以て述べている。しかし哀しいことに、東京人達は間もなくこれらの鳥を街中から追い払ってしまう。

九、岡田泰明、高木綾子訳『明治初期の東京の鳥ーーC.A.MヤVean の報告(一八七七)から(山階鳥類研究所「応用鳥学集報」六、一九八六)
前書C.A.MヤVean のメNotes on the Ornithology of Yedoモの和訳である。ただし、訳者のご了解をえて、はじめにとあとがきに一部書き換えた部分のあること、および追記を加えたことをお断りする。

以上、貴重な文書の撮影と復刻をご了承いただきました国立国会図書館、国立公文書館、酒田市図書館ならびに山階鳥類研究所の各位に厚くお礼申し上げます。また、訳文の転載をご承諾いただいた岡田泰明、高木綾子両氏に感謝申し上げます。
編者識
一九九八年師走
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