商品コード: 1-0099

『自然誌』(全13巻揃)

販売価格:
7,140,000円    (税込:7,854,000円)
ALDROVANDUS, Ulyssis [ALDROVANDI, Ulysse]
Historia naturalis
- Ornithologiae (vol.1: 1599; first edition, vol.2 and 3: 1645).
- De animalibus insectis (1638).
- De reliquis animalibus exsanguibus (1642).
- De piscibus (1638).- De quadrupedibus solidi pedibus (1639).
- Quadrupedum omnium bisulcorum historia (1642).
- De quadrupedibus digitatis (1645).
- Serpentum et draconum (1640; first edition).
- Monstrorum historia (1642; first edition).
- Musaeum metallicum (1648; only edition).
- Dendrologiae naturalis scilicet arborum historiae (1667; first edition).
uniformly bound in old full calf. spines raised bands gilt lettered. alledges richly gilt.

U・アルドロヴァンドゥス[U・アルドロヴァンディ]
『自然誌』(全13巻揃)(1-0099)

16世紀イタリアを代表するナチュラリスト、ユリッセ・アルドロヴァンディ(1522-1605)の博物学全著作集。

アルドロヴァンディはボローニャに生まれ同地に歿した医師・博物学者で、学史的にはゲスナー(1516-1565)を継ぐ人物と目されている。ローマにおけるロンドレ(1507-1566)との邂逅によって、自然誌の研究を開始。1550年、ボローニャに自然誌博物館を建設したが、この種の建物としては恐らくヨーロッパで最初のものと考えられている。ロンドレの影響で魚の標本を集め、このコレクションが博物館の核となっている。一方、ボローニャの植物園長としても活躍。彼の植物学の分野での師は、同じボローニャの植物学教授だったルカ・ギニ(1490?-1556)で、ギニは初めて植物の乾燥標本数百点を作成したことで知られる人物である。アルドロヴァンディは植物採集を50年にわたり続けたが、植物学の著作は生前には刊行されなかった。現在ボローニャ大学図書館には、付属のアルドロヴァンディ博物館があり、彼の全著作の諸版、収集品等が展示されている(彼の博物学著作の異版については次頁の表を参照のこと)。

アルドロヴァンディの博物学書の特長は、資料の収集が網羅的である上、記述の構成が一貫している点である。馬に例を取ると、その記述は57項目284ページにも及んでいる膨大さである。動物に限らず、植物(樹木学)や鉱物誌も同様に精力的な記載がなされている。近代科学が確立される以前の書物という性格上、聖書学、哲学、文学、隠秘学、民間伝承といった人文研究の記載が豊富で、今後、こうした観点からの一層の解明が望まれるところである。また、図版はほとんどが1ページ大をとった見事なもので、美術史的にも貴重。もっぱら珍奇な絵のみがクローズアップされている観があるが、アルドロヴァンディの時代にはすでにある程度、空想上のものと現実のものとの区別がつけられているのが、事項の配列から窺える。また、個々の事物を医薬として用いる際の記述に、神話から連想されるものが多いが、これをもって当時の実践医学そのものと考えるのは早計であろう(各巻の構成は、それぞれの図書のページに掲載)。

版にばらつきこそあるが、初版で揃えることが不可能となった現在、統一された堅牢な装幀で全13巻まとまって市場に出ることすら極めて稀なこと。なお、アルドロヴァンディの博物学書とされるものには1692年刊行(著者没後87年後)の Pomarium もあるが、一般に Dendrologiae『樹木学』までをもって全集と見做されており、古くからこの13巻が Historia naturalis あるいは Opera omnia と称されて流通してきた。ロンドンのウェルカム・インスティテュートをはじめ多くの研究機関や図書館が全13巻の全集を揃えている。アルドロヴァンディにはこうした一連の博物学著作のほかに Roma antica distinta per regioni (1741, Roma) や Antidotarium Bononiense (Bologna, 1574) といった尚古研究があり、総合知識人としての一面を窺わせる。(参考文献:木村陽二郎『ヨンストン動物図説』「解説」1993年)
●分売については次項以下参照。
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